再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
一気に気が抜けた。
なんだったの本当に。

怒り泣き出す私を丈慈はそれはそれは優しく愛おしそうに慰める。

なんなの本当に。

とりあえず何もなくて良かった。
でももう夜も遅いし、気分は沈んだままだけど仕方なく帰ろうとすれば引き止められる。

懇願するように。
私も離れたくなかった。

手を引かれソファで丈慈は私を上に座らせ話し出した。

そして子供みたいにしがみついて、嫌わないでと。

普段の丈慈からは想像できないくらい必死に許してくれるまで離さないと言ってるように私にしがみつく姿を見て、不思議と落ち込み荒れていた心が静まって同時に愛おしさで胸が暖かくなる。

こんなに私を愛してくれてる。
こんなに私を必要としてくれてる。

それからはお互い不安になった気持ちを埋めるように、お互いの愛を確かめるように抱き合った。

丈慈は一瞬足りないって顔をしているようにも見えたけど、私を強く抱きしめてそのあと優しく撫でた。
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