再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
「こんなもんでしょ!」

翠ちゃんがメジャーを首にかけて言う。

「うん! これで大丈夫なはず」

二人はやり切った顔をして、また私にさっき着ていたトレーナーをスポッと着せた。

「ねぇ! どういう事? 何測ってたの?」

二人に聞くと、二人はまた怪しく笑う。
その顔なんなの。
ほんとそっくり。

「ドレス。ウェディングドレスよ!」

翠ちゃんが教えてくれる。

「え?」

「かわいいドレス作って丈慈の事驚かしてやりましょう?」

ママもニヤニヤしている。

「天音。YUI FUJISAKIの服良く着てるわよね?」

ママが言う。

「え? うん! 大好きなの私! え? YUIのドレスなの⁈」

「そう! YUIのデザイナーね、実は私の姉なのよ? 藤崎 結っていうの。私の兄の塁、藤崎でしょ?」

「えーーーーーーーー!!」

リビングに私の叫び声が響く。
こだまして返ってくる勢いで。

そうだ。藤崎だ。
絃くんと維織ちゃん藤崎だ!

「ふふふ! トップシークレットね?」

そう言ってママは人差し指をシーっとしてみせてそれは可愛くウィンクをしてみせた。

かわいいー。
ママめっちゃかわいいー。
< 143 / 286 >

この作品をシェア

pagetop