再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
翠ちゃんもママもよく私に飛びつく。

「ありがとう翠ちゃん。私も嬉しい!」

「天音ー!」

二人でギャーギャー言ってれば余計に人目についてしまったようで、そこからはスッと何事もなかったように二人で歩き出した。

「バレンタイン、何あげたらいいかな?」

そう。今日の目的は丈慈へのバレンタインのプレゼントを選ぶ為に翠ちゃんを召喚したのだ。

「えー? なんでも喜ぶんじゃない?」

「翠ちゃん真面目にー」

「んー? いや本当に。天音が選んだってだけで泣くほど喜びそう。天音の前じゃデレッデレだもんね丈慈」

まぁ確かにいつもニコニコしてる。
あれはデレデレの顔だったのね。
思い出してつい顔がほころぶ。

「天音もデレデレじゃんか」

そう言われて、キュッと顔を引き締めた。


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