再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
「それは知らなかった」

そうだったんだ。
あの時、追いかけてきてくれてたんだ。

「そうだよ。しかもさ、大河の話によると街で天音に似た髪型の人とか見つけると天音だと思って何回も間違えて声かけてたらしいよ。うける。必死すぎ」

翠ちゃんはおかしそうに笑ってる。

そしてそれも初耳だ。

再会した時、スペイン語で言われた。
"君に会いたかった。ずっと"

あれは嘘じゃなかったんだね。
探してくれたんだ。

なんだか早く丈慈の顔が見たくなってきてしまった。

それから結局何も思い浮かばなくて、何個あっても困らないだろって事で丈慈の愛用してるブランドのネクタイにした。

そしてその他にもいろいろ買い物をして、別れ際に翠ちゃんに紙袋を渡された。

「ふふふふ。丈慈、間違いなくそれが一番喜ぶと思うわよ」

最後にこんな一言を残して。


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