再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
カチャカチャとベルトを外す音がして、丈慈は手早く準備をする。

いつも思う。
この時の無駄のない動きは見事だと。

仰向けになり腕を掴まれ引き寄せられると丈慈はそのまま私を上に乗せた。

そして私の腰を押さえるとゆっくりと下される。
それと同時にググっと押し上げられる感覚にそれだけでもおかしくなりそう。

「はぁっ…んんっ…」

奥までトンと当たれば自然と顎が上がった。

「あっ…」

上のネグリジェはまだそのまま着たままだ。

「天音っ。かわいい」

そう言って眉間にシワを少し寄せて私を下から見つめるその熱い眼差しに射抜かれたように丈慈から目が離せなくなる。

ガンと更に奥へ突き上げられそのまま動き出す丈慈は、首を上げて私の腰を掴み同時に誘導するように動かす。

「あっ…んっ」

その後も幾度も打ち寄せる波に翻弄された。



「翠にまんまとしてやられた…」

腕枕をして私を撫でながらそんな事を言う丈慈がかわいい。

どうやらこのネグリジェは思いがけずサプライズのバレンタインのプレゼントとなって成功を納めたようだ。

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