再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
「もしかして、泳げない?」

その通り。
私は泳げない。
自慢じゃないが華道しかしてこなかった。
というか、実は運動神経は壊滅的だ。

「あははは…」

乾いた笑い声しかでない。

「はは。意外。おっけ、んじゃ捕まってろ」

丈慈は私を抱えたまま奥の方まで連れて行ってくれる。

「本当キレイ!」

縁まで行くと、そこは海に張り出すように浮かんでいて特等席で眺望できる場所になっていた。

「天音、こっちからヴィラも見てみ」

丈慈がクルッと向きを変える。
こっちも本当に素敵。

「オシャレだぁ…本当に」

「そうだな。住みたい?」

「めっちゃいい。住みたい。最高」

「ははは」

そして頬にチュッとキスをされた。

しばらくゆっくりと眺めを楽しんでプールから上がると、そのままベッドルームへ担ぎ込まれたのだった。


< 178 / 286 >

この作品をシェア

pagetop