再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する

目が覚めるといつの間にか陽も落ちてすっかり外は暗くなり、ベッドから外を見れば細い三日月と星がとても綺麗に見えた。

ここにはゆっくり三泊する。

三日月の頼りない明かりのおかげで星がより一層輝きを増す。

パパ、ママ…見てる?
私こんなに幸せだよ。

あまりの綺麗な星空に感動したのか思いがけずポロっと涙が出た。

「天音…どうした?」

ヘッドボードに寄りかかり私を後ろから抱きしめていた丈慈が心配そうに頬を伝った涙を指でそっと拭いてくれる。

「大丈夫、何でもない。星が綺麗で…」

「それだけ?」

「…両親を…思い出したの」

すると丈慈は抱きしめる力を強めた。

「大丈夫。俺たちはもうみんな天音の家族だ」

その優しい言葉に寂しさなんて少しも感じない。

「わかってる。幸せで、パパもママも私を見て笑ってくれてるってそう思ったの」

「ああ。きっとあの星のどこかで見てる」

「ありがとう」

本当に。
丈慈に出会ってから全てがいい方向に進む。
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