再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
なんか疲れたな。

海外にでもゆっくり旅行に行きたい。

パリは結局とんぼ返りだったし。

そしてあの時の彼を思い出した。

とても流暢な英語だったな。
日本語も綺麗だった。

普段はどんな風に話すのだろう。

私みたいに、全く違ったりして。

ふふふ。

私が会釈をしてその場から離れる時、待ってと口パクで言った時の表情は、彼の素が一瞬見えた気がした。

名前くらい聞けば良かったかな。
素敵な人だった。

あの時の私は完全にプライベートだったし、実は華道家だと知ったら他の人みたいに引いてしまうのだろうか。

華道をしているのを見たら、普段の私とは掛け離れた姿に驚くだろうか。

また会えるかな。

会ったところでどうする事もできないけど、何故だかまた会いたいと思った。

トクトクと心臓が早くなっている気がする。
この訳が知りたい。
そう思った。
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