再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
まだ籍は入れてないけど、素敵な家族に仲間入りさせてくれた。

お婆様の事だって。

私に幸せを次々に運んできてくれる。
それは感謝してもしきれないくらいに。

「ありがとう。丈慈」

何度も何度も言いたい。

「愛してる。心から」

私は自分から丈慈の頬にキスをした。
どうか伝わりますようにと。

すると顎を押さえられ丈慈の情熱的なキスが降ってくる。

「俺もだよ、愛してる。他に言葉が見つからない。俺に、あの時声をかけてきてくれてありがとう」

パリで丈慈に声をかけたのが私じゃなかったら、こんな風にはなっていなかったかもしれない。

今頃丈慈は別な誰かと愛し合っていたかも…

「あの時、声をかけたのが私で良かった…」

あっ! こんな、ヤキモチみたいな言い方…

丈慈は少し驚いた顔をしたあとフッと笑った。

「天音じゃなかったらきっと俺は見向きもしなかっただろうな」
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