再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
丈慈は私にとって最初で最後の最愛の人。

丈慈だったから私も初めてを捧げようと思った。
この人との思い出があれば生きていけると思って。
誰にも打ち明けずに胸にしまったまま知らない人の妻になろうとしていたくらいだ。

「私も。丈慈しか愛せない」

「天音…」

丈慈はまたギューっと力いっぱい私を抱きしめる。

丈慈はよくこれをする。

私は振り向きそっと丈慈の頬に手を添えて丈慈を見れば、その瞳は情炎の灯火が奥で静かに揺れ動いていた。

目が合うと丈慈はチュッとキスをしてまたギューっと私の首元に顔をうずめ抱きしめた。

ついもっとと言いたくなって私も口を閉じた。

丈慈はそりゃ凄いんだけど、でもどこか優しい。
私の事を優先してるみたいな。
いつもどこか我慢しているみたいな表情を見せる時がある気がする。
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