再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
危機
「最近どうよ」

美空ちゃんが私の髪をとかしながら聞いてきた。
すっかり外は桜が咲き始め、今日は美空ちゃんの美容院にきて髪を切ってもらう。
美空ちゃんは都内のサロンでトップスタイリストをしている。

腰まであるロングのワインレッドの髪はレイヤーが入っていてすごくオシャレ。
さすが美容師って感じだ。

「ホワイトデーにバリに行ってきたよ」

「らしいね! 大河が言ってたよ! どうだった?」

あれが凄かったとは店では言えない。

「ん? 天音? 顔赤いよ?」

顔に出てしまったらしい。

「いや、凄かった。た、建物がめっちゃオシャレで」

嘘じゃない。
うん。
そう言って、ヴィラで撮った写真を見せた。
< 198 / 286 >

この作品をシェア

pagetop