再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
スーツケースを引いて自分の部屋へ入る。

何で女を自分の部屋に入れなきゃならないんだ。

彼女でもあるまいし。

まぁ歴代の彼女すらここの家にあげたことはないが。

彼女とはいえ、我が物顔でキッチンになんか立たれた日には俺は家を飛び出すんじゃないだろうか。

いまいち彼女の存在意義がわからん。

よって昔は何人かと付き合ってみた事もあったが、もう何年もそういう存在はいない。

親父とお袋のようにいつか本当に愛し合って結婚する日なんて来るのだろうか。

いまだに仲良い両親を見てるとこっちが恥ずかしくなるくらいだ。

うちの親だけじゃない。

親戚たちも揃いも揃って仲良し夫婦だらけだ。

俺には一生その感覚がわからないかもしれない。
< 20 / 286 >

この作品をシェア

pagetop