再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
「なんで今更、乗っ取りなんて…」

『天音が引退してから、代替わりしたんだよ。柊源に』

確かに名刺に家元って書いてあった。
穏やかな笑みの裏にそんな腹黒さがあったのね。
確かに今思えば、どこか品定めをしているかのような目つきをしていたかもしれない。

今は独立して流派は違えど、元々は辻本の出だ。
子が親を裏切る事など許されない。

本来なら独立した時点で仕事だって分けたりなんてしない。

和泉は本当に恩を仇で返してきたんだ。

「許せない…」

『しかも柊源はこれまで華道の華の字も知らないような奴だ。お前も知らなかったろ?』

やっぱり…
言われてみれば、先代はわかるが柊源は知らない。
今日初めて見た。

「一体何者なの?」

『先代の後妻の連れ子らしい』

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