再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
どういう事?

「先代はどうして華道も知らない柊源に代替わりしたの⁈」

『それがな…公には明かされてないんだが、どうやら交通事故にあって意識がずっと戻ってないらしいんだ』

「そんな…それで急に柊源が出てきたって事?」

『ああ。後妻が厄介な奴で、先代が意識が戻らないのをいい事に自分の息子を指名したんだ』

「そんな勝手な事許されないでしょ! 何か方法はないの?」

華道を何だと思ってるの?
辞めた私が言える事ではないが、どうしたって頭に来る。
先代はとても温厚で穏やかな人だ。
私もたくさんお世話になった。

『…わからない』

そんな…
でも翔太郎もわからないからきっと私に連絡してきたのか。

「ちょっと、私も考えてみる」

『ああ。こんなんで潰れる辻本ではないが、せめてお婆様が戻るまでには解決したい』

「わかってる」

『悪い、天音…。知恵を貸してくれ』


< 205 / 286 >

この作品をシェア

pagetop