再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
そんな姿を見て育ったからか、誰ともしっくりくることがなかった。

まぁいい。

疲れたわ。

ワインクーラーからボトルを出してグラスに注ぎ、クイっと一気に飲み干した。

また注ぎ片手にもつと窓際に立った。

今日は星が綺麗だな。

そしてパリを振り返る。

イベント、うまくいって良かった。
彼女のおかげで大きな契約もとれた。

何かきちんとお礼をさせてほしい。

彼女のフランス語は、話せない俺でも上手なんだろうなと思うほど見事だった。

あの会場にいたのは客としてだよな?
ドレスアップしていたし。

向こうの人なのだろうか。

なかなかあんな風に、困ってる人間に話しかけられる人はいない。
きっと優しい人間なんだろうな。



< 21 / 286 >

この作品をシェア

pagetop