再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
どういう事?
でももう引けない。
やるしかない。

「ええ」

「ククククっ。それではコンクール楽しみにしておりますよ。天音さん。いや、奥さん」

もう吐きそうだ。
何がなんでもコンクールで優勝して私は丈慈の元へ戻るんだ。

死ぬ気で練習しないと。
どんな手を使ってくるかわからない。

「それでは失礼致します」

「あ、そうそう。少しでも変な真似をしてごらんなさい。マスコミに私と婚約しているのに神楽の御曹司がちょっかいかけてきたとリークしますからね」

んなっ⁈
どの口が言ってんのよ!

「そうなれば、神楽コーポレーションもどうなる事やら。あの男も、世間から冷たい目で見られるでしょうね。ははは。私は構いませんがね」

この男、どこまでも腐ってる。

「ご心配なく。では失礼致します」
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