再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
結果は満場一致で私の優勝となった。

控室に戻る途中、丈慈と先代と翔太郎がとある控室の前で何やら険しい顔をしている。

私に気づいた丈慈がシーっと人差し指でジェスチャーをする。

私もそこまで向かうと中から声が聞こえてきた。

「どうなってんだよ！　なんであいつがここに？」

柊源だ。

「私もわからないわよ！　意識が戻らないと聞いていたわ！　あんなお金までだして人を雇って事故を起こさせたのに！」

後妻？
お金で雇って事故を…⁈

先代を見ればワナワナと怒りで震えている。

翔太郎の手にはボイスレコーダー。

「ママが上手く行くって行ったんじゃないか！　俺が優勝して天音を妻にするはずだったのに！　一体どうなってるんだ！」

ママって…

「私だってわからないわよ！　だいたいマスコミがLIVE中継するなんて聞いてないわ！　これじゃ恥さらしもいいところよ。あなた花のひとつもまともに生けられないの？」
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