再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
そして天音のあの時の生けた作品を思い出す。

あれは素人の俺が見ても素晴らしかった。

あんなに嫌いだと言って華道から離れたのに、あの時の天音はそれは楽しそうに微笑みながら花を生けていた。

一つ一つの花を愛おしそうに見つめ、まるで花と会話でもしているかのように。

会場にいる皆んなが、天音の放つオーラに惹きつけられ目が離せなかった。

前に写真で見たような、自分を押し殺し感情の見えない目をして生けていた天音の姿はどこにもなく、生まれ変わったかのようだった。

普段の天音とはまた違う天音を目の当たりにして息を飲んだ。

俺の最愛の人。
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