再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
♦︎♦︎♦︎

天音と連絡が取れなくなってすぐに報告が上がってきた。

少し前に個人名義でマンションを建設したいという依頼があったと。

そうなるとそれなりの資金がなければ不可能だ。

名前を聞けば和泉柊源という華道家だと。
華道家?

和泉…?

俺はハッとする。
確か、辻本を妨害している流派じゃなかったか?

一体何が起きてるんだ?

「丈慈! これ見て!」

翠がノックもせずに慌てて執務室に入ってきた。

「どうした」

翠から一枚の書類を見せられる。

「ここ見て!」

そこには華道のコンクールのエントリー者の名前があって、下の方に天音と和泉柊源の名前があった。

「天音が…コンクールに?」

どういういきさつで?
和泉と対決するって事か?

という事は、今辻本で練習しているから集中する為に俺との連絡を絶ったのか?

天音らしいというかなんというか。

「しかも、ここの会場うちで建設した所でゲスト審査員として呼ばれた!」

「なんだと⁈ 俺が行く」

「ええ。そういうと思って既に丈慈の名前で返事しておいた」



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