再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
季節はすっかり春の訪れを見せる。

ピンポーン

「ん…」

誰だよ。
モゾモゾどベッドから起きてモニターを見れば大河(たいが)だ。

大河こと神楽大河は、俺の同い年の従兄弟で常務をしている。
副社長の陽平くんが大河の親父だ。

「はい」

返事をしてロックを解除する。

「はよ」

玄関ドアを開けながらTシャツの中に片手を入れてあくびをしながらポリポリと腹をかく俺の前を通り過ぎ、大河がズカズカ入る。

「はよ。ねみーんだけど。俺寝ていい?」

「ああ」

んじゃ遠慮なく。

俺たちはこんなもんだ。

そして昼頃ようやく目が覚めてリビングに顔を出せば、大河もソファで寝ていた。

「大河ー。腹へんね?」

「んー。減った」

「なんか作る?」

「いや、寿司食いてぇ」

寝起きで寿司かい。


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