再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
そして控室でいよいよ墓穴を掘っていく後妻と柊源。

結果はどうあれ、天音を巻き込んだ事は到底許せるものではない。

俺の大事な婚約者だ。

天音の前だからなるべく抑えたが、それでもやはり怒りが出てしまう。

早く天音を抱きしめたい。
天音が戻ってきたと実感が欲しい。

あまりにも楽しそうに花を生ける天音を見て嬉しくもある反面、どこか手の届かない遠くにこのまま行ってしまうのではという不安を感じたのも事実だ。

一瞬俺は天音の大事な物を奪ってしまったのかとも思った。

俺は、天音を救った気になっていた?

本当は天音は華道が好きだったのか?

俺は天音の一体何を見てきたんだ?

自問自答するも答えは一向に見つからない。
しまいには天音を責めるような言い方をしてしまった。

違うのに。
こんな…
こんなに愛しているのに…



< 237 / 286 >

この作品をシェア

pagetop