再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
「すげー」

今俺は有名なガウディの建築物を見にきている。
サグラダファミリアもやはり凄いが、カサ・ミラの独創的で角のない曲線のみの建物は地中海をイメージしてあって波や砂浜を連想させるそんな建物だ。

屋上には彫刻物がいくつも立っていて面白い。
オブジェに見えるこれは、実は煙突。

「全部グニャグニャだね!」

「ははは! そうだな。曲線で建物を作るのはとても難しいんだ」

「そうなんだ、知らなかった! でも見てるだけで楽しい」

「そうだな」

そして次に向かったのはグエル公園。
俺の腕に手を回してニコニコしながらバルセロナの街を見渡す。

「素敵」

そう言って風に吹かれ長い髪がなびいた横顔はとても綺麗だった。
チュッとキスをすれば歯に噛むように笑ってぎゅーっと腕に抱き付く天音。

その後もゆっくりと街を歩いてガウディの建築物を見て周りセンスと才能に魅了されたのだった。

ビーチへ行ったり街を歩いたり、ショッピングをしたりと日中はゆっくりと過ごして、夜になればまたバルを巡った。

< 264 / 286 >

この作品をシェア

pagetop