再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
あっという間に最終日を迎え、俺たちは今しか見れないひまわり畑を見ることにした。

「スケールがヤバいね」

絶景と呼ぶにふさわしい大スケールの光景は、はるか遠くまでひまわりで一面が埋め尽くされ黄色い世界が広がる。

「想像以上だな」

しばらく二人で立ちすくむように一面に咲くひまわりを眺める。
元気に咲き誇るひまわりの花を見て、天音の笑顔と重なった。

「天音、幸せにするから」

「もう充分幸せ過ぎるよ。私こそ丈慈に幸せになってほしい。たくさん、たくさんもらってばっかりだもの」

そう言ってパァッと明るく笑った。

「俺にはもったいないくらいだ。こんな素敵な奥さんもらって」

「丈慈…」

見つめ合えば、さんざん昨晩も愛し合ったというのにまた抱きたくなってしまう。
天音のサングラスをそっと外せば揺れる瞳が待っていた。
その瞳は情熱的で、天音も同じ気持ちなんだとわかった。

「天音…愛してる」

さすがにこんな所では無理だ。

「私も愛してる」

どこまでも続くひまわり畑の真ん中で俺たちはギューっと抱きしめあって何度もキスをした。

「飛行機でしっかり寝とけよ?」

ニカっと笑う。

「帰ったら寝かせてくれない感じ?」

「もちろんだ。覚悟しておけよ」

そうして俺たちのハネムーンは幕を閉じた。





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