再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
大河は目を大きく開けた。

「本当か? いや、俺もう一人の方めっちゃタイプなんだけど」

珍しく大河が女性に興味を示す。

「行くぞ」

俺たちはワインにも他の人にも目もくれず彼女たちの元へ向かって歩き出した。

クソ。
あのヤロー、付き纏ってんな。

「待たせて悪かったな。俺たちの連れが何かしたか?」

思ったより低い声が出る。

彼女たちも男たちも急に俺たちが話しかけた事で顔を見上げ驚いている。

「何か用があるなら、俺たちが聞くぞ?」

大河も笑顔で付け加える。
目が笑っていない。

「あ、あははは。いや、お連れさん本当にいたんですねー。それじゃ俺たちはここで」

そう言って、その二人組は逃げて行った。
連れ?
連れがいるのか?

だよな…
こんな美人だもんな。
相手がいないわけないか。

何故か味わったこともないような絶望に似た感情をどこかで感じているのがわかった。

「大丈夫?」

大河がお団子の方に話しかけている。
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