再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
「ちょ、ちょっとごめんなさいね!」

お団子が、天音の腕を取り少し離れた所へ連れて行った。

二人で何か話しているようだ。

「おい。お前、あの子連れてく気だろ」

大河に耳打ちする。

「ああ。誘ったら、連れに聞いてみないとって。お前もか?」

ニヤニヤと何を言ってんだか。

「俺は別にそんなんじゃねぇよ」

「すみません。それじゃ、私ここで失礼しますので、天音をよろしくお願いします」

そう言って、お団子は大河のそばまで行くと二人で出て行ってしまった。

大河のやつめ。
自分でここ誘っておいて。

まぁ、滅多に女に興味をもたない大河があんな行動に出るんだからよっぽど何かあるのか。

「あのさ、あの時の子だよね? パリの」

天音は大きな目をさらに大きく開けた。

「覚えてたの⁈」

おお、覚えてたのか。

「だよな? いや、あの時本当に助かったよ。どうもありがとう。ずっとお礼を言いたくて」

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