再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
「いえ。お礼だなんてそんな。ただの私のお節介ですよ。お気になさらず」

「いや、この一年ずっと…」

君に会いたかった。

そう言ってしまいそうになり口を閉じた。

俺今何て言おうとした?

お礼をしたいからだよな?

「とにかく何かお礼をさせてもらえないかな?」

「そんな。本当にいいのに…。とりあえずせっかくですし、ワイン飲みましょうか」

「あ、ああ。そうだな」

俺はなにをしてるんだ。
こんなに必死になって。

そもそも普段の俺なら自分から女に話しかけるなんて事はしない。
ましてや助けたりなんかも。
そんな親切さは悪いが持ち合わせていない。

都合の良い関係だけで十分だ。
それすらも最近は面倒くさい。

というか、そんな気にもなれなくて気づけば全員切ってしまっていた。
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