再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
女はすぐ勘違いする上に猫被りだ。

俺の前ではいい顔してても、裏では何を言ってるのかわからない。

気をつけていてもいつの間にか付き合って婚約までしてる事になってた時もあった。

私は抱いてもらったんだとか何だとかって自慢気に話したり。

深入りするだけ無駄だ。女なんて。

♦︎♦︎♦︎

「丈慈! あんたこれ何⁈」

高三になった春休み。
お袋から叩き起こされる。
何でヒソヒソ声?

「…んだよ。ねみー」

口を抑えられる。
死ぬ死ぬ!

「昨日何時に帰ってきたのよ! これ何!」

お袋はまだ声をひそめている。
そこには昨日抱いた女が俺に寄越したうさぎのぬいぐるみ。

「ああ、なんか無理矢理持たせられた」

俺も良くわからんが小声で話してみる。
お袋がクルっとうさぎの背中を見せた。
背中が開くようになってたらしい。

そこには機械?
は?

「これ、盗聴器じゃないの?」

嘘だろ⁈
俺はすかさず取り上げて、力任せに殴りぶっ壊した。
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