再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
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急に昔を思い出してフッとワインを飲みながら笑ってしまう。

まぁそんな事もあって、ろくな女なんていなくて割り切った付き合いしかしてこなかった俺が、天音には何でこんなに必死になってるんだか。

天音はだいぶ飲めるらしいけど、それにしてもペース早くないか?

「天音ちゃん? ペース大丈夫そう?」

「天音ちゃん? 天音でいいですよ」

天音はそう言って俺を見上げる。

「ああ。んじゃそう呼ぶよ。俺の事も丈慈でいいし、敬語もいらないから」

「わかりま…わかった。丈慈ね。丈慈、丈慈…」

練習か?
ははは。
素直でかわいいな。

ハッとする。

いかんいかん。
この子は気軽に手を出して良い子ではない気がする。

俺たちはワインを手に取り、外に張り出しているバルコニーに出た。
今日は星が綺麗だ。

「寒くないか?」

「大丈夫だよ。ジャケット着てるし」

「そうか。天音、何であの時パリに? 天音も仕事で?」
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