再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
「んー。まぁ、そんなとこ」

あんまり聞かれたくない内容だったようだ。

「フランス語ペラペラなんだな」

「学生の頃、留学してたから」

天音は星を見ながらワインを一口飲む。
それだけで、様になっている。

「実はさ、あの時俺の妹もいてさ。妹はフランス語話せるんだけど俺は話せなくて」

「妹さん? 丈慈、英語はペラペラだったよね?」

「まぁ。だいたいは英語で何とかなるんだけどな。あの時はダメだった」

「ふふふ。あとは話せる言語あるの?」

「あとは、中国語とスペイン語だな」

「中国語も? スペイン語ってなんかカッコいいよね」

カッコいいという単語につい反応してしまう。
別に俺を褒めた訳でもないのに。

「スペイン語は発音とか確かにカッコいいよな」

「何か話してみてよ」

「ははは! やだよ」

すると天音が何かフランス語でペラペラっと話した。

「え? いや俺フランス語わかんないって」

「ははは! 知ってる」

「なんて言ったんだ?」

「内緒ー」

そう言ってウィンクをして楽しそうに笑った。
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