再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
ドクンと胸が大きな音を立てた。

パリの時はとてもしっかりした大人の美人な女性のイメージだったが、こうして話してみるととても素直で明るくて何より時折見せる笑顔がとても可愛い。

俺はスペイン語で話した。

"君に会いたかった。ずっと"

どうせ通じない。

すると天音は瞳を大きく開けた。

そしてこう言った。

"それ、口説いてる?"

スペイン語で。

揺れる瞳。
その瞳を前に、なんだか急に唇に噛みついてしまいたい衝動になる。

「ははは! 何だよ天音。お前も話せるのかよ」

なんとか誤魔化す。
ヤベぇ。
キスしたい…と思ってしまった。
会いたかったなんて言ってしまった。

うっかりわからないと思って本音を暴露してしまい、柄にもなく照れてしまう。

どうなってんだよコレ。
心臓がおかしな動きをしている。
居ても立っても居られず自分の鼻先を指で触った。
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