再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
運命の一夜
ーーーー

〜天音side〜

彼にパリの時の方ですよね?と聞こうとした時、春香に連れ去られた。

「ヤバいヤバい! 彼に誘われた! 行ってきていい?」

春香が興奮している。
ははは。

「いーよ。行っといで」

「天音。天音チャンスよ。どこぞのオヤジと結婚する前に一度くらい、いい男に抱いてもらいな」

私の親友はすごい事を言い残して、颯爽と立ち去って行った。

そんな事出来るわけないじゃん。
こんな素敵な人。
私なんか相手にする訳がない。

話してみると、やっぱり彼はあの時のパリで会った人だった。
向こうも覚えていたようで、お礼がしたいと言う。
随分と律儀な人だな。

彼との会話は楽しい。
ワインを飲むペースも自然と早まる。

なんだろう。
すごく自然体だ。
心地がいい。
でも、同時に心臓はトクトクとずっと速い。

酔ったかな。
酔ったなコレ。
< 48 / 286 >

この作品をシェア

pagetop