再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
そして、春香に言われた言葉を思い出す。

この人となら…

この人との思い出があれば…

丈慈はお礼がしたいと言っていた。
もう一度確認すれば、俺にできる事なら何でもと言った。

"今夜、抱いて欲しい"

まさかこんな事を自分の口から出る日が来るとは思いもしなかった。

お願い。
私に思い出をちょうだい。

"後悔しないか?"

スペイン語を話す彼は、日本語で話す時よりも声が低くなる。

後悔しない。
これは私が望んでした事だもの。

私は頷いた。

彼の瞳に情欲の炎が宿る。
見た事もない強い眼差しに身震いしてしまいそう。

ドクンドクンと早まる鼓動。
彼と向かい合って見つめ合ってるだけなのに、周りの声や音は一切遮断され、ここに二人しかいないような錯覚に陥る。
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