再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
頬に触れれば丈慈は一瞬だけ目を細めた。

涙袋まで完璧だ。

色っぽい。

男性に対して色っぽいなんて思ったら変なのだろうか?

目や鼻などもスルっと撫でた。
そして唇にも。

こんなに間近で男性の、しかもこんな綺麗な男性の顔を見たのも触れたのも初めてで、好奇心なのかなんなのか吸い寄せられたかのように顔のパーツをなぞってしまう。

「煽ってんのか?」

丈慈は私を見下ろす。

「え…?」

どうやら煽っていたらしい。

「抱くぞ」

彼はそう言って顔を傾け近づいてきたと思えば、唇に噛み付くようなキスをしてきた。

「んっ…」

何これ…
さっきエレベーターでキスをした彼とはまるで違う。

必死に鼻で息を吸うも全然ついていけない。

私の手を繋いでベッドに縫いつけたまましばらくキスに翻弄される。

次第にゆっくりになって唇が離れたと思えば彼の大きな手が私の頬を包むようにそっと撫でた。

そして何も言葉にしないまま、さっき私が彼に触れたようにゆっくりと親指の腹で目や鼻を見つめながら触れられる。

何か言いたそうに瞳が揺れている。
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