再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
結局彼は何も言わずにまたキスをしてきた。
でもさっきとは違う、少し優しいキス。
舌が口の中を彷徨い歯列をツルっとなぞられる。
下唇を咥えられ吸いつかれた。

いろんなキスがあるらしい。
なんだか教えてくれているみたいだ。
どれも気持ちいい。

私の手はいつの間にか自然と彼の首の後ろに回っていた。

そのままキスを続ける彼の手が私の身体に優しく触れ動き出す。

「はっ…」

自分で身体を洗う時に散々触ってるのとは全く違う感覚にピクっと反応してしまう。

その度に彼は微笑み優しいキスをくれる。

彼に頼んで正解だった。
こんなに優しいんだもん。

彼の目に映る私はどう見えてるのだろうか?
遊んでる女に見えたかな。
それならそれでいい。

私にとっては、こんな素敵な夜は最初で最後なんだから。

彼は最高の舞台を用意してくれた。
私なんかのために。
パリで助けたお礼として。

彼は最後まで優しかった。
本当に愛されているかのように錯覚してしまう程に。
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