再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
「ん…」

朝日が直撃して眩しい。

今何時…?
片目をなんとか開けてベッドサイドの時計を見る。

9時半。
起きないと…

私は気だるい身体を起こし昨晩の甘いひとときを思い出す。

隣を見れば、すでに昨日の彼はいない。

そう言えば、彼が帰る前何か言ってたな…

なんだったっけ。

もうすぐお婆様の決めた相手と結婚しなければならない。

相手の男性はどこの誰だか知らない。

どこの誰だか知らない人に、初めてを奪われるくらいならその前に…
そう思って、昨日私は彼と…

初めてってバレたかな…

シーツをめくれば出血のあと。
だよね。

終始彼は優しかった。
「大丈夫?」
と何度も確認された気がする。

でもその頃にはすでに私はもう、初めての感覚に訳もわからず頷く事しか出来なくなっていた。

痛いと思っていたあの瞬間ですら、そんな事も気にならないくらい蕩けて…

思わず顔を両手で煽った。

す、凄かった。
優しかったけど、凄かった。

そして絶対バレていた。

いつの時点でバレた?

いや、わからない。
バレてないかもしれん。
< 55 / 286 >

この作品をシェア

pagetop