再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
ん?

9時半?

まずい!
帰らないと!

これから打ち合わせがあるんだった!

バタバタと急いでシャワーを浴びる。
あーこんな素敵なお風呂なのにー。

昨晩はゆっくり部屋を楽しむ余裕もなかった。
この部屋絶対高いよね。

本当に感謝だ。
こんなに素敵な思い出をくれたんだもん。
あんなに優しく、情熱的に。

これで私は…

その時ポロっと涙が落ちた。

泣くな。
泣くな泣くな!

これで良かったんだ。

なのに涙が止まらない。

何で…
何でなの…?

嫌だ。
知らない人と結婚なんてしたくない。

丈慈…

助けて。

私のこんな心の叫びなんて聞こえるわけがないのに、繰り返し助けを求めてしまう。

早くここから出ないと。

早く戻らないと。

もとの世界に。
味気ない日常に。
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