再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
昨日の晩を思い出す。

天音から誘ってきた時は驚いた。

他の男ともこうやって関係をもったりするのかと一瞬でも思ったら、ドス黒い感情が出てきたのを感じこれが嫉妬なのだとすぐに理解した。

そう。
俺は天音に惚れていたんだと。
これが独占欲なのだと。

たぶん一目見た時から。

お礼をしたいなんて思ってたが、それだけじゃなかったのだと気づいた。

エレベーターに乗れば他の客も乗っていたのに、逃したくなくて繋いだ手を離さなかった。

誰もいなくなり我慢できずに軽いキスをすれば笑われた。

余裕だな。
必死なのは俺だけか?

余計に他の男なんて天音の記憶から消してしまいたいと強く思った。

部屋に入ってベッドルームへ連れて行く。
天音のジャケットに手をかけて脱がせると、中にはベアトップのタイトなフォルムのワンピースを着ていた。

首元や華奢な肩が姿を現し、月明かりに照らされとても妖艶に浮かび上がって見えた。

天音は心なしか上の空だ。
誰か他の男を想ってるのか?
忘れたい誰かがいる?
俺を身代わりにしてる?

俺をジッと見つめる瞳からは天音の感情がいまいち読み取れない。


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