再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
俺はあの時心に決めた。
天音を俺の妻にすると。
俺が最初で最後の男になると。
なのに今朝のバタバタでちゃんと話せず、天音を信じて名刺を置いてくるも連絡がない。
天音は最後まで俺の欲しい言葉を口にはしなかった。
一体どういうつもりで俺に頼んできたんだ?
初めてじゃないならまだしも…
でも確かに抱いてる最中の天音は確信的な言葉は口にしなかったが少なからず俺を愛おしそうに見つめていた。
それすらも勘違いだったのだろうか。
やっぱり最初から一夜限りのつもりで?
「大丈夫か?」
大河に声をかけられ、すっかりトリップしてしまった思考を戻す。
「ああ。行くか」
そして昨日のホテルへ向かってみるも、やはりチェックアウトした後だった。
遅かったか。
どうしたもんかな。
何気なしに携帯で辻本天音と検索をかける。
俺ヤバい奴だな。
そして携帯を見て驚いた。
昨日の雰囲気とはガラっと違うが天音だ。
そこには綺麗にオデコをあげて、着物を着たそれはお淑やかそうな、感情の見えない瞳をした天音の写真がいろんな記事と出てきた。
華道家…
ん?
この記事…