再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
今日はあの日以来会っていなかった春香とダイニングバーに行く約束をしている。

カランとカウベルを鳴らして店内に入れば、春香は既に奥のBOX席に座っていた。

「春香! お疲れ!」

「お疲れ天音! お腹空いちゃって、適当に注文しちゃった!」

と笑う春香。

「いーよいーよ! 私も昼抜いちゃったから腹ペコー」

「天音、元気?」

え?

「な、何で?」

「いや? お昼抜くなんて珍しいと思って」

春香はそう言ってテーブルの上に腕を組んだ。
これ、尋問する気満々だな。

春香とは、中学からの仲だ。
皆んな私の家柄を前に壁を作る中、春香だけは気にせず私をただの辻本天音として接してくれた唯一の親友だ。
私達の仲に、秘密はない。
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