再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
会場へ向かい用意された部屋にお婆様と入る。

まだお相手の男性は来ていないようだ。

そしてしばらくすると襖の奥に人影が現れた。
スタッフが声をかける。

私は三つ指を揃えて頭を下げる。

スタスタと足音と共に男性が二人部屋へ入って来た。

「初めまして。天音さん。顔を見せてくれないか?」

待って。
待って待って!
この声、かなりダンディな声でカッコいいけどだいぶ歳上じゃない?

お婆様!
この鬼ババア!
やりやがったな!
いくら私が可愛くないからって!
最高潮に毒を吐く。

怒りなのかなんなのか手が震える。

顔をあげたくない。

「天音。顔を見せなさい」

お婆様め。
僅かな抵抗すらも許してはくれない。

「天音」

強めに言われる。


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