再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する


♦︎♦︎♦︎

天音からはいくら待ってもやはり連絡はなかった。

何でだ。

一夜で終わらせるなんて絶対無理だ。

俺はもう天音じゃないと無理だ。

そんな事を思いながら車を走らせる。
今日は出張があってそのまま終わり次第帰っていいという事でいつもより早く帰れた。

久しぶりに奏翔の店にでも行くか。
奏翔はホテルのBAR『slow』でマスターをしている。

俺のマンションからは徒歩で行けるため、車を置いて歩いて向かう。

するとすれ違いざまに一人の女性に声をかけられ、腕を掴まれた。

「あ、あのっ!」

なんだ? 急に。
俺は振り返る。
そこには、天音と一緒にいたもう一人のお団子の女性がいた。

「やっぱり。あの時の方ですよね?」

「君は、天音と一緒にいた?」

「はい! 春香と言います。すみません急に。あの、お時間ありませんか?」

なんだ?
大河の事か?

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