再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
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呼ばれたのは広い日本庭園が綺麗な料亭。

いよいよ天音のお婆様とやらに会う。

結局心配した親父もお袋もついてくると言ったが、とりあえず今日は俺だけにしてもらった。

まもなく廊下からスタッフの声がして襖が開いた。

この人が…

白髪を綺麗に纏めて藤色の着物をビシッと着こなし背筋をシュッと伸ばした、それはそれは綺麗なご婦人。

その後ろからは天音の兄貴だろう、天音とそっくりな顔をした俺と同じくらいの歳の男性が着物を着て現れた。

二人はそっと俺の前に腰をおろした。

いよいよだ。

「お待たせしてごめんなさいね。天音の祖母の菊枝(きくえ)です。こっちは天音の兄の翔太郎」

「初めまして。兄の翔太郎です」

以外と二人とも普通だ。
イメージしていた意地悪婆さんとは少し違って面食らう。


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