再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
確かめて
〜天音side〜

あれからお婆様から再び連絡が入った。
あとは丈慈に全部任せたから好きにしろと。

たぶん丈慈からお婆様の真意を聞いていなかったら、捨てられたと思ってしまうような言い方に相変わらずだなと笑ってしまった。

「天音。丈慈さんと幸せにね」

お婆様の前でいつぶりかに声をあげて笑ってしまった私に、お婆様は聞いたこともないような優しい声でそう言った。

「はい、お婆様。どうもありがとう」

それだけ言って電話を切った。

その間も丈慈はまだ少し心配そうに私の顔を伺っていて、なんだか面白くなってしまった。

丈慈は私が思ってるより心配性なのかもしれない。

私が大丈夫だよと微笑むと、フッと力を抜いて丈慈も微笑んだ。
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