再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
いかん。

そして気を取り直し訳を話せば見事なフランス語で外国人男性に話し始めた。

翠以上だな。

そのまま通訳をお願いすれば、俺が日本語で話した内容を身振りも使って通訳してくれた。

こっちに住んでる人なんだろうか?
とにかく助かった。

何かお礼をさせてほしいと言おうとした時、俺の胸ポケットに入れてあった電話がなった。

それは大事な取引先からで、彼女に一言断り電話に出ればタブレットで確認しなければならない内容で、奥に移動する。

先ほどの彼女を見れば少し待っててくれたようだが、俺と目が合うとニコっと微笑み会釈をする。

まずい! 行ってしまう気だ。

口パクで「待って」と言うも、彼女は立ち去ってしまった。

タイミング悪りぃな本当に。

少したったあと休憩を終えた翠が戻ってくる。
< 9 / 286 >

この作品をシェア

pagetop