再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
「え? ここ?」

丈慈が車を止めた場所は私のマンションのすぐ近くに建つ更に高い高層マンションだった。

「そうだけど?」

「えーーー⁈ 私んちあれ! あの、右のやつ!」

私は自分のマンションを指差す。

「は?」

丈慈もさすがに驚いている。
そ、そんな事あんの?
神様のイタズラとはこういう事を言うのかもしれない。
だって何年も住んでたのに、一度だって会った事ない。
丈慈のマンションは、私が住んでるマンションの後に建ったけどさ。

「私、高一からあそこに住んでる」

「まじか。俺はここが建った時からだから、四年くらいかな。ここ両方とも俺んとこの所有だぞ」

マンションいくつ持ってんのよ。
神楽さんよ。
不動産もしてるんかいて。
開いた口が塞がらない。

「こんな偶然あんの?」

「すごいな。でも今日は俺んち。行こうか」


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