再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
吹き抜けになった高い天井に、ものすごい広さのリビングの先には全面ガラス張りの絶景が広がっていた。

夕陽がまさに沈んでいくのを特等席で見ているようだ。

「俺もこんな風にゆっくりとなんて久しぶりだな」

私の隣に並ぶ丈慈は落ち着いた低い声で夕陽を見ながら言った。

「勿体無い。こんなに綺麗なのに」

「ははは。そうだな。星はよく見る。好きなんだ」

「私も。ここはうちよりも空が近い」

丈慈は私を引き寄せ抱きしめる。

「もっとゆっくり見せたいところだけどもう限界」

そう言うと、あの日エレベーターで最初にしたみたいにチュっとしたと思えばすぐに熱い舌が口内に侵入してきて私の舌を捕まえられた。

あの日以来の深く強烈なキス。
思い出しながら私も必死についていく。

「んっ…」

再び速くなる鼓動。
丈慈の心臓も今頃速く動いているのだろうか。
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