再会した御曹司は純情な彼女を溺愛する
「着物はさすがに脱がし方わかんないな」

「そうだよね」

「教えてくれる?」

「あ…自分で脱ぐよ?」

「そ?」

そう言って丈慈は自分もスーツのジャケットを脱いだ。
ひとりがけのソファにパサっと投げ、ベッドに腰掛けた。

こっちを向いて。

見られてる。
めちゃくちゃ。

これ脱がせてもらうより恥ずかしいかもしれない。

小物を外し、帯に手を回して紐をほどく。
いくら慣れてるとはいえ、こんなに見つめられると…

「丈慈、見過ぎ。恥ずかしいよ」

耐えられずに言う。
顔が熱い。
絶対真っ赤になってる。
人前で仕事をしてたから動揺を隠すのは得意ではあるけど、さすがに好きな男性を前にしてはその能力も役立たずのようだ。
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