ホスト様の隣は私
それから旅館に戻ってきた俺たち。

でも、美桜はずっと殻に閉じこもってる。


俺でも入ってくるな!って言ってるようにも見えた。


どうしたらいいんだろうか。

いったいアイツは、美桜に何を言ったんだ。


「美桜、夕飯だって」

「…………」

美桜は首を横に振るだけで、喋ろうとはしない。


横に振るということは、いらないということだよな。

この暑い日に、何も食べないというのはヤバいだろ。


「せめて、水分補給だけでも」

これにも首を横に振る。


困った。

さすがに熱中症とかになってしまうぞ。


どうにかしてでも、せめて水分補給だけはさせてやりたいけど…


あ!あれだったら!

俺はある物を思い出してすぐに買いに行くことにした。


「美桜、ちょっと待ってろ」


俺の判断は間違いだったと気づくのはすぐのことだった。
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