ホスト様の隣は私

來斗side

おいでと言ったら、いつも素直に美桜は来る。

それが愛おしくて仕方ない。


「美桜、もう大丈夫だから」

「うん」

「ただ一つだけ聞かせてくれないか?」

「へ?何?」


あの日、オーナーの家で何があったのかを。


「オーナーの家に行ったときから、様子がおかしかったよな?お前。

アイツから連絡あったんだろ?何を言われた?」

間違いなく、美桜があーなったのはアイツの言葉だろ。


「あ、うん…

次は來斗を殺す。殺されたくなければ、店に来いって」


なるほどな。

美桜の傍にいる奴ら全員殺そうとしてたのか。


美桜のことだから、俺に迷惑かけないようにしようとしてたってところだろう。


「バカ。もっと早く言え」

「ごめん…でも、來斗を守りたかった…

結局守れなかった、むしろ守ってくれたんだけどね」


コイツはほんとにバカ。

俺は美桜に守られたいなんて思わない。


俺の横でいつも笑っててくれる

ただそれだけを思ってるのにな。


「俺が美桜を守る。美桜は俺に守られとけばいい」

「來斗…」

「なぁ、俺がお前の笑顔が好きって言ったの覚えてる?」

「え?うん、覚えてるけど…」


美桜、今度こそ聞いておけよ。俺の気持ち。
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