ホスト様の隣は私
來斗さんは、それからもずっと私の頭を撫でている。

それがなんだか落ち着いて、涙が流れてきた。


「泣きたいだけ泣けばいい」

なんて優しい言葉をくれた。


その言葉で一気に溜まってた涙が流れ落ちる。

私、気づかないうちに我慢してたんだって気づいた。


ほんとは、誰かに話しを聞いてもらって

泣きたかったんだ。


今まで泣かなかった。

あー、またか。って思うくらいで気にしないようにしてた。


なのに、來斗さんはすぐに気づいてくれたんだ。


「ありがとう…」

お礼を言ったあと、私はしばらく泣き続けた。


そのあとのことは覚えていない。

気づいたときにはベッドにいたのだった。
< 14 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop